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1990年 標津線の廃線跡を歩く

北海道長大4線は憧れが強かったものの訪れることができませんでした。
その1つ、1989年4月に廃止となった標津線には、
廃線後1年以上たった1990年の夏にようやく訪問できました。
 
標津線と言えば標茶と厚床から中標津に至る路線がありました。
この時は標茶から中標津経由で根室標津に至る本線の一部を歩きました。
 
まずは釧網本線と標津線の分岐駅、標茶駅。
三角屋根が印象的なこの駅舎は今も現役です。
駅前の燕マークのJRバスが懐かしいです。

1990年7月25日 釧網本線標茶駅
 
釧網本線と標津線の分岐点付近の多和まではバスで移動し、
8時過ぎから廃線跡探索を開始しました。
 
標茶から多和の分岐点までの約2.7kmは、
釧網本線と標津線が寄り添うように走っていました。
そういえば宮脇俊三の文章で、
北海道の支線はしばらく本線と併走して名残惜しそうに別れていく…
というような文章がありましたが、ここもそうでした。

1990年7月25日 標津線跡標茶~多和
 
釧網本線と別れてすぐの多和駅には、ホームや駅名票が残っていました。
この時はまだ廃線から1年強。
廃線跡にはまだ現役さながらにレールも残っていました。

1990年7月25日 標津線多和駅跡
 
多和駅を離れると廃線跡は山越えにかかりました。
夏の廃線跡はクモの巣が多くてまいりました。

1990年7月25日 標津線跡多和~泉川
 
おまけに炎天下で暑くてのどが渇いて渇いて…
水の準備を十分していなかったので、川の水を飲もうかと思ったほどです。
今思えばエキノコックスとかいるし、飲まなくてよかった…

1990年7月25日 標津線跡多和~泉川
 
多和から10.0kmを歩いて、10:40泉川駅跡に到着。
考えてみるとさすが北海道、10kmも何もない区間を歩いて来たのでした。
まずは泉川駅前の民家で水をもらって喉をうるおしました。
泉川駅跡もホームや駅名票が残っていました。

1990年7月25日 標津線泉川駅跡
 
駅舎はコンクリートブロックの頑丈な造りでした。
GoogleEarthで見ると駅跡は一面草に覆われて昔の面影はなさそうです。

1990年7月25日 標津線泉川駅跡
 
 
泉川駅跡を11:15に出発して、さらに歩きます。
線路が根釧台地をアップダウンして伸びる、標津線らしい風景です。
これを見たくてこの区間を歩いたのでした。
ただ無謀にも水も食料もろくに用意していなかったので、
腹が減るし脱水気味だしで何度もダウンしてしまいます。

1990年7月25日 標津線跡泉川~光進
 
泉川駅から4.6km、1時間45分もかけて13:00に光進駅に到着。
もうヘロヘロです。また民家で水をもらいます。
光進駅にも北海道の僻地らしいホームが残っていました。

1990年7月25日 標津線光進駅跡
 
13:30に光進駅を出発、西春別を目指して歩きます。
アップダウンの線路跡は続いて行きます。

1990年7月25日 標津線跡光進~西春別
 
16:00、西春別に到着。
光進から西春別までの5.2kmは2時間半もかかりました。
途中何度もダウンして、線路上で寝たりもしました。
西春別に着いた時にはもう本当にヘロヘロ。
商店で食料を買って、町のありがたみを感じました。

1990年7月25日 標津線西春別駅跡
 
西春別駅構内に保存されているキハ22 239。
西春別はこの辺りでは比較的大きな町で貨物側線もあったそうです。
今では別海町鉄道記念公園として整備されています。

1990年7月25日 標津線西春別駅跡
 

西春別から先も廃線跡は伸びていましたが、探索はこれで終了です。

1990年7月25日 標津線跡西春別~上春別


途中疲れて何度もダウンして、約20kmを7時間もかけてしまいました。
真夏にろくに準備もしないで廃線歩きとは、若気の至りでしたね。

しょぼいですが、青春の1ページと言えば1ページです。

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コメント

No title

標津線、大好きな路線でしたので数回利用しましたよ。
標茶駅の名も今は知る人が少なくなってきましたね。

No title

なんかものすごい記録ですね(汗)
標津線はいい線路でした
終着駅以外あまり覚えていないのですが(殴)

No title

標津線は地北線の様に第三セクターにならないで廃線になりました。私も一度乗っただけです。冬だったのでひたすら真っ白の雪原の記憶しかありません。今回北海道を訪れる計画をしており、下調べをした中では、標津線の痕跡は殆ど無くなっている様です。廃止後直ぐは結構残っていたのですね。

No title

butoboso様
標津線に数回乗られたとはうらやましい!
自分はギリギリ間に合いませんでしたので…

標茶駅は2年前に釧網本線に乗った時に通りましたが、ここから標津線が分かれていたのか…と改めて感慨深かったです。

No title

LUN様
炎天下で水も持たずによく歩いた…という点ではものすごい記録です(笑。
標津線はアップダウンを繰り返す線路が素晴らしかったです。

No title

レガシィ様
今回標津線跡をまとめるに当たって、最近の様子もネットで調べましたが、確かに痕跡が消えつつあるようですね。
北海道では人の手が入らずに自然に帰っていくケースが多いと思います。
標津線跡も早い時期に訪問しておいてよかったです。

No title

こんばんは

SLの全盛期標茶駅を降りて近くの線路端で蒸気機関車を撮影しましたが、標茶の駅の写真を撮影しなかったのが悔やまれます、当時はフィルムが貴重でしたので、、、、

No title

pajero4900様
標津線ではその昔C11が走っていたんですね。
C11が数両の貨車を牽引して根釧台地を走る…見てみたかったです。

根室標津駅跡では自走もできるC11 224が保存されているということでいつかは見に行きたいです。

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●kuromaru

Author:●kuromaru
興味の対象が国内鉄→海外鉄→保存鉄と移り変わってきました。
蒸機が好き。高いところが好き。俯瞰写真が好きですが、最近は保存車両巡りばかりです。

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