2016年 沖縄県営鉄道 与那原線跡をつまみ食い
- 2016/08/06
- 12:29
沖縄で鉄…と言えば、沖縄県営鉄道の廃線跡巡りが最大のイベントでしょう。
沖縄県営鉄道は戦前、軽便(けいびん)と呼ばれて活躍していました。
ただその痕跡は、沖縄戦で破壊し尽くされてほとんど残っていません…
今回は「けいびん」与那原線跡の美味しいところをつまみ食いしました。
起点だった那覇駅跡を旭橋駅付近から見下ろします。
戦後は那覇駅跡地はバスターミナルとなりました。
三角形の敷地が当時の駅構内と一致します。
現在は工事中ですが、その際にターンテーブルや検車台が発掘されました。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線 那覇駅跡
戦前の那覇駅の写真。
今回見たのとは逆の、与那原側から那覇駅を見たものです。
旭橋駅にやってきた現在のゆいレール。
いずれにせよナローの県営鉄道とは隔世の感があります。
2016年8月1日 ゆいレール旭橋駅 1202
那覇駅跡から廃線跡らしき辺りを歩いていると、壺川東公園に至ります。
ここにはナローのDLが保存されています!
と言っても南大東島から来たものですが…これはこれで貴重です。
1967年製造のKATOの10t機、サトウキビ畑で働いていました。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線跡 那覇~古波蔵 大東製糖5号
大東製糖号機をサイドから。
エンジン回りは覆いがなくてスカスカです。
暑くてエンジンが焼けつくのを防ぐためだとか?
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線跡 那覇~古波蔵 大東製糖5号
南大東島の蒸機の下回りも残されています。
車体がないのが残念!
1913年ヘンシェル製のBタンクの残骸らしいです。
ロッドを見ながら、この蒸機の現役時代を想像するのが精一杯です。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線跡 那覇~古波蔵 大東製糖1号
壺川東公園で大事なのは、南大東島のDLよりも県営鉄道のレールです。
戦後、レールをはじめ鉄クズは金ヅルとして処分されたので、
偶然発掘された古レールは貴重です。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線跡 那覇~古波蔵
ゆいレール展示館には発掘された、
沖縄県営鉄道嘉手納線のレールと沖縄電気のレールが展示されていました。
手前の短い方が嘉手納線のレールです。
25年前にチャリで与那原線跡を回った時の写真。
区間は不明です…。
市街化されて線路跡は跡形もない場所が多いですが、
時にはこんなサトウキビ畑の中の未舗装道路として残る区間もありました。
1991年8月 沖縄県営鉄道与那原線跡
さて壺川東公園を見た後は、子供達と本島南部を車で半周しました。
ドライブの〆として2013年に復元された終点与那原駅跡に行きました。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線与那原駅跡
与那原駅舎は戦後、役場や農協の建物として使用されました。
コンクリート製だったので、戦火で破壊されても補修可能だったとのことです。
現在も当時の鉄筋コンクリートの柱が残っています。
2016年8月1日 沖縄県営鉄道与那原線与那原駅跡
戦後すぐ、破壊された与那原駅の写真…
ゆいレール展示館には沖縄県営鉄道の定期券が展示されていました。
戦火を乗り越えてよく残っていたものです。
最後に元気だったころの沖縄県営鉄道の写真も。
那覇港を走る列車です。
70年以上前、悲惨な戦火の中で消え去った沖縄県営鉄道。
その駅舎が復元とは言え復活したのはうれしいことです。
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